2025年10月9日、山梨学院大学にて、中国駐東京観光代表処主催の「“你好!中国”中国文化観光講座」が開催されました。
講座のテーマは「グリーンツーリズムと世界遺産 ― 中国の自然と文化を巡る旅」。当日は約100名の学生が参加し、中国の世界遺産を通して、持続可能な観光のあり方について理解を深めました。

講座ではまず、中国駐東京観光代表処の役割や業務内容の紹介から、中国の基本的な情報、高鉄や飛行機の交通網を始めとする各種インフラの拡充を紹介し、中国の豊かな自然・文化資源とそれらを未来へ引き継ぐためのグリーンツーリズムの取り組みについて紹介を行いました。
国内外から観光客が押し寄せる、世界遺産として有名な張家界(湖南省)、黄山(安徽省)、麗江古城(雲南省)などの地域では、自然環境と地域文化を守りながら観光を推進するためのさまざまな取り組みが行われています。張家界では、地元住民がエコツアーや民宿経営に参加することで地域に経済効果をもたらし、黄山では山の麓の農村での農村体験や登山道の植生回復や環境教育の導入、麗江古城では少数民族の文化を尊重しながら地域資源を活かした観光が進められていることを紹介しました。
また、環境にやさしいホテルの取り組みも紹介し、実際の宿泊施設で行われている環境配慮の事例として、木材を活かしたホテル建築や自然素材のアメニティなどの実物を紹介しました。木製の歯ブラシやヘアブラシ、木製や革製の環境に配慮したルームカードキー、オーガニックの部屋用使い捨てスリッパなど、宿泊者が快適に過ごしながらも環境への負荷を減らす工夫が紹介され、学生たちは熱心に耳を傾けていました。

講座の様子
学生からは、「黄山や麗江などは写真でしか知らなかったけれど、地域の人々の暮らしや自然保護の努力を知って、観光の意味が変わりました。」「エコなホテルの事例を聞いて、自分も旅先で環境に配慮した選択をしたいと思いました。」「グリーンツーリズムは“体験型観光”だけではなく、地域と未来をつなぐ考え方なんだと感じました。」と、講座を通じて新しい視点を得たという声が多く寄せられました。
講座の最後には、中国と日本は美しい自然と豊かな文化を共有する隣国で、これからは“持続可能な観光”という共通のテーマを通じて、若い世代が交流を深めてほしいと、学生たちに伝えました。
中国駐東京観光代表処では、今後も学生が中国についての理解や友好の基礎となるような国際的な視野を広げ、地域や環境に配慮した観光のあり方を学ぶ機会を積極的に提供していく予定です。



